2023
髙山瑞 個展「森のスケッチ」|2023.1.23-1.27|沖縄県立芸術大学 崎山キャンパス 彫刻棟 2F 演習室
「森のスケッチ」
今回の個展「森のスケッチ」では、森の中に内在する線を
できるだけシンプルに追いかけることを試みました。
一本の樹をみているとたくさんの力が線状に折り重なっているのを感じます。
もちろん表面的な幹や枝の線もそうですが、さらに内部にある大きな直線的な力や、
それらを繋ぐしなった曲線的な力も強く感じます。
そして周辺の樹々たちと取り巻く環境や関係性にも
あらゆる線が満ち満ちています。
たとえば落ちた枝がばらばらと置かれている様や、
割れたり摩耗したりした大小さまざまな石がちらばっていたり、
土から浮いてまた沈みゆく根だったり。
それぞれがそれぞれの場所に置かれている事で
星座のような配列の線も生まれます。
また、木を彫るという行為はその木がここに至るまでの過去を
年輪から地層のようにみてとることができるのです。
そして私自身の時間も、彫ること・かくこと・みることで溜め込まれ過ぎていく。
これから重ねてゆく時間的な線の存在も刻々と積みあがります。
人も木も、あらゆる方向にあらゆる線がねじれ絡まって、ここにいる。
そんな時間の遠さ、そして空間の遠さを今ここに少しでも記しておけたらと思います。