2023

髙山瑞 個展「森のスケッチ」|2023.1.23-1.27|沖縄県立芸術大学 崎山キャンパス 彫刻棟 2F 演習室


髙山瑞「山の端、切り込み」|2023.4.29-5.26|銀座蔦屋書店

photo | 桜井ただひさ   

一本の樹をみているとたくさんの力が線状に折り重なっているのを感じます。もちろん幹や枝といった表面的な線もそうですが、さらに内部にある大きな直線的な力や、それらを繋ぐ曲線的な力の存在があり、周辺の樹々たちと取り巻く環境や関係性にまで、あらゆる線が満ちているように思われるのです。たとえば落ちた枝がばらばらと置かれている様や、大小さまざまな石がちらばっていたり、土から浮いてまた沈みゆく根だったり。それぞれがそれぞれの場所に置かれている事で、星座を結ぶような関係の線も生まれます。

 

それらと相対し線を木に彫ることで、かつて作られた年輪が地層のように表面に現れ、その木がここに至るまでの過去を少しだけみてとることができるのです。私自身の身振りも加わって、彫ること・かくこと・みることで、鑿跡と共に時間が溜め込まれ、これから重ねゆく時間的な線の存在も刻々と積みあがります。それを目の当たりにした誰かの時間もまた同様に積み重なっていくのではないでしょうか。

 

人も木も、あらゆる方向にあらゆる線がねじれ絡まってここにある。そんな時間の遠さ、そして空間の遠さを今ここに少しでも記しておけたらと思います。


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とめぎ

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とめぎ

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地平面

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